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女性のための「身体教養のススメ」~Botaniaにむけて~

*白い沈丁花

毎月後半の東京暮らしは、仕事場での寝泊まりで料理はあまりできません。
25年間も専業主婦で過ごしてきたせいか、外食や出来合いの夕飯に、初めの頃は少し抵抗感がありましたが、思えばフードロスも無く、夕方のセール時間を目指せば、なかなか賢い選択です。
今では仕事の合間をぬって、少し離れたスーパーへお弁当を買いにいくことにもすっかり慣れてきました。

今日も、ウォーキングを兼ねた「買い出し散歩」の足取りはなかなかにハイペースで、夜気の冷たさが心地よく思えます。ボタニア・ムーブメントの効果を実感しながら帰りの上り坂を上がった頃には、コートのボタンも、花粉よけのマスクも、全開にして冷たい空気を吸い込んだ時、ふと足が止まりました。

2,3回の深呼吸をしながら香りの方へ目をやると、庭園美術館の暗がりの奥にぼんやりと、ひと群れの白い沈丁花が浮かんでいます。
近づくとだんだんに香りが薄れていくように思えるのに、あの出会いがしらの香りは忘れられません。

明日からまた大阪です。空気が違えば、香りも違うのかしら?と、来年もまた夜の庭園美術館の沈丁花に出会えることを楽しみにしています。



# by k56422 | 2023-02-28 22:20 | 季節のあれこれ | Comments(0)

まだまだ寒さが続くなかでも、街や庭の木々は陽の輝きに「春」を知っていることが感じられます。

春といえば、清少納言は「春はあけぼの」と夜明けの美しさを詠んでいますが、夜更かしの私は夕暮れ時の空に心惹かれます。
12月の頃には、澄み切った夕暮れの残照の色が、だんだんと濃い夜の色にかすんでいく中に、細い新月の弓なりの姿をみれば聖夜を思います。

そろそろ3月も近づけば、霞だってきた夕暮れには夕焼け色も花のように赤みがさしてくるように思えます。そうして、この頃になると「茜さす 紫野ゆき 標野ゆき」と額田王の歌が何となく浮かんできます。

そんなことを考えながら、書棚からふと手に取り開いた『非常識の医学書』のページに「瞼の裏に浮かぶイメージの色によって健康状態がわかる」という福田稔先生のご説がありました。福田稔先生は、安保徹博士「自律神経免疫理論」の功労者です。

それによると、顆粒球が多い交感神経緊張状態の患者さんでは「黒や青」、リンパ球が多い副交感神経優位状態の患者さんでは「白や赤」が感じられるのだそうで、患者さんがこうした状態では病気が一年・二年と長引くのだそうです。

それが免疫のバランスがとれて病気の治癒が始まると「茜色」が感じられるようになっている!というのです。福田先生は、日本の神事に使われる伝統色が「茜色」であることも、こうした体との交流と感じておられるようです。
そして患者さんの瞼の裏に「茜色」のイメージがさしてくると、その後約半年ほどで完治していくそうです。

きっと健全な体にとって「茜色」というのは汚れのない血液の示す色で、「半年」という時間は「植物の再生と成長の期間」と同じだな・・と、また何か嬉しい確認が出来ました。

# by k56422 | 2023-02-19 22:11 | 身体教養・リニューアル版 | Comments(0)

ガーデナーとして私の喜びは「植物の成長をみること」です。
私は植物の殆どを鉢植えにしています。ですから一年間、植物の伸びやかな成長を見せてもらうためには、年に一度の「植え替え作業」が欠かせません。

植え替え作業の主な目的は、なんといっても「伸び代の更新」です。
伸び代(ノビシロ)とは「まだ成長する余地があること」と辞書にあるとおり、鉢という限られた空間に、次の一年間の成長に必要な余地をつくることが主に「冬のガーデニング」です。

植物にとって成長の余地は、根と枝の二つの空間です。
ですから、なるべく葉や根が冬季休暇の時期を見計らうのですが、近年は年々冬がいつまでも暖かく、なかなか植物も冬期休暇になりません。
結局、今年は2月の急激な冷えをむかえてからの作業になりましたが、風花が降りてくるような寒さの中でも、不思議と寒さを感じません。

どの鉢の植物も「伸び代の更新」の前と後では、別人?のようにいきいきと輝いてみえます。植物のその素直な反応に嬉しさを感じながら、私も「伸び代の更新」をしなければ!!と、気持ちが引き締まりました。
植物には、いつもいつも学ぶことばかりです。


# by k56422 | 2023-02-17 01:40 | 身体教養・リニューアル版 | Comments(0)

腰の痛みを長く抱えて来られるクライアントさんには、施術用のベッドに横たわったときの呼吸に共通性があります。それは、お腹が上に膨らんでくる「我流の呼吸」です。
ご自分でチェックするときは「お腹の上に置いた手が上下する呼吸」です。

特に、仙骨から腰椎にかけて硬い芯のようなコリが強い方は、腹膜の前が薄く膨らんでいて、よけいに呼吸の度にお腹が大きく上下するように動きます。
こうした呼吸を長年使い続けていますと、いつのまにかミゾオチや臍の周囲が硬くなっています。
どうぞ、ご自身でチェックしてみてください。

私たちが施術やムーブメントのクラスでお伝えする呼吸は、息が入ってくるとき、お腹がゆるんで凹んでいく「生来の呼吸」です。私は、この生来の呼吸を「ギフトされた呼吸」と呼んでいます。
この呼吸は、「自分がする」呼吸ではなく、「自然になる」呼吸で、とても穏やかで、それでいて深くたっぷりとした息が感じられる呼吸です。そしてお腹に手をのせていると、ゆっくりとお腹の中が延び広がっていくのが伝わってきます。

ボタニアでは、「ギフトされた呼吸」で満たされた心身の安らぎと、その後に感じる力みの無い動きを、ひとりでも多くの方にお伝えしたいと願っています。


# by k56422 | 2023-02-05 23:51 | 身体教養・リニューアル版 | Comments(0)

ロウバイ(蝋梅)の花が好きです。

冬の一番寒い頃に、葉も無い黒々とした枝先に、黄色の可愛い蝋細工のような花をいっぱいつけて、凛とした甘さを含んだ良い香りが漂います。

ずいぶんと前の遠いことになってしまいましたが、父が病院から帰宅できなくなった冬に、庭先に咲いた蝋梅を二枝ほど病室にもっていったことがありました。
庭仕事が好きだった父も、冬の寒さの中で香る蝋梅の香りが好きでしたから、病室で楽しんでもらおうと思ったのです。

ところが病室に置いた蝋梅からは、なにか別のもののような臭いしか感じられません。
病室には早咲きの日本水仙の花を置いて、蝋梅は持ち帰り、冷え切った玄関先の竹筒に指しました。暫くすると、玄関先は深呼吸がしたくなるほどの蝋梅の香りでいっぱいになっていました。

寒さの中でしか嗅ぐことのできない蝋梅の香りは、病室の父に届けることはできませんでしたが、それ以降、蝋梅の潔い香りが冬の楽しみになりました。


# by k56422 | 2023-02-01 23:55 | 季節のあれこれ | Comments(0)