2022年 11月 28日
55:存在を与える
自分を見つけてくれて、自分の名前を嬉しそうに呼んでくれることを心待ちしながら、じっと物陰に身を隠して待つ遊びです。
広い広いからだの中には、隠れるところがいっぱいあって、いつの間にか忘れられてしまう”存在”がいます。それでも見つけてくれることを信じて、じっと隠れているのです。
からだの中で隠れている存在の時間と空間は、見つけてもらえるまで、その存在と一緒にそこに留まります。それは、種が土に撒かれる日を待つように、じっと時空間を抱えたまま留まっているのです。
うっかりと探すことを忘れたまま大人になった自分が、何かの拍子に、物陰にまだじっと隠れている懐かしい姿を、遠くから見る日がきます。
その時、その存在を忘れていた自分が責められるようで、見て見ぬ振りをしたくなるのです。
でも、どうか覚えておいてください。
かくれんぼで見つかったとき、私たちはとっても嬉しかったことを。
それは遊びの中で、小さいけれど、「存在を与えられたような喜び」だったということを。
だから勇気をだして、見つけてあげてください。
あなたが見つけてくれたときから、芽吹くように本来の姿に向かって動き出していくのです。
存在を与える。それが、生命の営みの始まりです。
by k56422
| 2022-11-28 23:32
| 身体教養・リニューアル版
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